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「内田裕也ロックンロール葬」内田也哉子謝辞全文|世の中の矛盾をすべて表しているのが内田裕也

内田裕也のお別れ会を締めくくる、内田也哉子による謝辞のラストはジャストロックンロール!

2019年4月4日。

3月17日に79歳で永眠した内田裕也のお別れ会「内田裕也Rock'n Roll(ロックンロール)葬」が東京青山斎場で行われました。

 

弔辞を

  • 堺正章
  • 崔洋一
  • 鮎川誠(シーナ&ロケッツ)
  • 横尾忠則(本木雅弘代読)
  • AI(アメイジンググレイス歌唱)

日本を代表するそうそうたるメンバーがのべました。

この時点ですでに、内田裕也らしい破天荒なお別れ会ではあったのですが、最後を締めくくった娘の内田也哉子さんの謝辞がすごかった。

Fuckin’ Yuya Uchida.

don’t rest in peace.

just Rock’n Roll!

内田裕也さんはこの一言で最高の人生のエンディングを迎えることができたと思いました。

 

ここに全文を書き記しておきます。

 

Switch (Vol.22No.10(2004October))

Switch (Vol.22No.10(2004October))

Switch (Vol.22No.10(2004October))

 

 

 

樹木希林曰く「世の中の矛盾をすべて表しているのが内田裕也」

親族代表として、ご挨拶をさせていただきます。

私は正直、父をあまりよく知りません。

「わかりえない」という言葉の方が正確かもしれません。

けれどそれは、ここまで共に過ごした時間の合計が数週間にも満たないからというだけではなく、生前母が口にしたように「こんなにわかりにくくて、こんなにわかりやすい人はいない。世の中の矛盾をすべて表しているのが内田裕也」ということが根本にあるように思えます。

私の知りうる裕也は、いつ噴火をするかわからない火山であり、それと同時に、溶岩のはざまでものともせずに咲いた野花のように、清々しく無垢な存在でもありました。

 

父親という概念には、おさまりきらなかった内田裕也という人間

率直に言えば、父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は、涙でにじむことさえ戸惑っていました。

きっと、実感のない父と娘の物語が、はじまりにも気付かないうちに幕を閉じたからでしょう。

けれども今日。

この瞬間。

目の前に広がる光景は、私にとっては単なるセレモニーではありません。

裕也を見届けようと集まられた、お一人お一人が持つ、父との交感の真実が、目に見えぬ巨大な気配と化し、この会場を埋め尽くし、ほとばしっています。

父親という概念には、とうていおさまりきらなかった内田裕也という人間が、叫び、交わり、噛みつき、歓喜し、転び、沈黙し、また転がり続けた震動を、皆さんは確かに感じ取っていた。

 

内田也哉子が内田裕也から唯一教わったことは「生きとし生けるものへの畏敬の念」

「これ以上、お前は何が知りたいんだ」きっと、父もそう言うでしょう。

そして自問します。

私が唯一、父から教わったことは何だったのか?

それはたぶん、大げさに言えば、生きとし生けるものへの畏敬の念かもしれません。

彼は破天荒で、時に手に負えない人だったけど、ズルイ奴ではなかったこと。

地位も名誉もないけれど、どんな嵐の中でも駆けつけてくれる友だけはいる。

「これ以上、生きる上で何を望むんだ」そう、聞こえてきます。

 

内田裕也と樹木希林の夫婦関係を娘の視点から見て

母は晩年、「自分は妻として名ばかりで、夫に何もしてこなかった」と申し訳なさそうに呟くことがありました。

「こんな自分に捕まっちゃったばかりに」と遠い目をして言うのです。

そして、半世紀近い婚姻関係の中、折り折りに入れ替わる父の恋人たちに、あらゆる形で感謝をしてきました。

私はそんな綺麗事を言う母が嫌いでしたが、彼女はとんでもなく本気でした。

まるで、はなから夫は自分のもの、という概念がなかったかのように。

もちろん人は、生まれもって誰のものでもなく個人です。

れっきとした世間の道理は承知していても、何かの縁で出会い、夫婦の取り決めを交わしただけで、互いのいっさいがっさいの責任を取り合うというのも、どこか腑に落ちません。

けれども、真実は、母がそのあり方を自由意志で選んだのです。

そして、父もひとりの女性にとらわれず心身共に自由な独立を選んだのです。

 

内田裕也と樹木希林、2人の証が内田也哉子である

2人を取り巻く周囲に、これまで多大な迷惑をかけたことを謝罪しつつ、今更ですが、このある種のカオスを私は受け入れることにしました。

まるで蜃気楼のように。

でも、確かに存在した2人。

私という2人の証がここに立ち、また2人の遺伝子は次の時代へと流転していく。

この自然の摂理に包まれたカオスも、なかなか面白いものです。

79年という長い間、父がほんとうにお世話になりました。

最後は、彼らしく送りたいと思います。

 

Fuckin’ Yuya Uchida.

don’t rest in peace.

just Rock’n Roll!

 

内田也哉子による謝辞の動画はこちら

文字起こしに使用させていただきました。

 

www.youtube.com

 

「内田裕也ロックンロール葬」弔辞 一覧

 内田裕也さんのお別れ会での弔辞を全文文字起こししました。

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参列した感想も書いています。

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