映画「千年の恋 ひかる源氏物語」は、「源氏物語」をモチーフにした平安時代が舞台の時代劇です。

東映創立50周年記念作品で、
  • 男装の麗人要素:光源氏の役を宝塚歌劇団の伝説の男役、天海祐希が演じている
  • 顔見せ要素:吉永小百合、渡辺謙、竹下恵子、森光子など豪華キャストが入り乱れる
  • 唐突な松田聖子:大スター松田聖子が映画出演&オリジナルソングを映画内歌唱している
など、話題性優先の飛び道具的な要素が濃いのが特徴です。

以前映画評論家のおすぎ(おすぎとピーコの片割れ)が、テレビでボロクソにこき下ろしているのを見てずっと気になっていたのですが、ようやく鑑賞。

当記事では、あらすじキャストなどをまじえ、超個人的クチコミレビューをしていきます。







映画「千年の恋 ひかる源氏物語」あらすじざっくり紹介

源氏物語のあらすじをなぞって展開する「物語サイド」と、その作者の紫式部の人生を描く「作者サイド」の2部構成で展開するのかと思いきや、一瞬3部構成になったりしてよくわからん脚本です。

「光源氏サイド(物語サイド)」の主人公は天海祐希演じる光源氏、「紫式部サイド(作者サイド)」の主人公は吉永小百合演じる紫式部です。
そして唐突に、「光源氏サイド」スピンオフの「光源氏の正妻である紫の上サイド」っていうのも入ってきます。

映画「千年の恋 ひかる源氏物語」の主演は吉永小百合になっていますが、「光源氏サイド」の方がボリュームがあり、登場人物も多く、エピソードも豊富なのに比べて、「紫式部サイド」はストーリーが地味で薄く主題になるようなエピソードもないのが特徴です。

↓ネットに落ちていたあらすじはこちら
今より千年前、紫式部は宮中の藤原道長からの頼みで、道長の娘・彰子の教育係として京の都にやって来る。
実は式部には、どうしても京の都で完成させなければいけない一つの物語があったのだ。

『源氏物語』と題されたその物語の主人公は桐壺帝の子・光源氏。 容姿端麗にして武芸に秀でている源氏は何不自由のない生活を送っていたが、継母である藤壺中宮への禁断の恋心に苦悩もしていた--。

式部はまだ清純な彰子に物語を説いてゆくのだが、ついに物語は源氏が姫君たちとの逢瀬の果てに、藤壺と体を重ねてしまうことになる......。
よくわからないと思うので、箇条書きであらすじ書いていきます。

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映画「千年の恋 ひかる源氏物語」の「光源氏サイド」ネタバレ結末

手短に書くとこんな感じ
光源氏が義母である藤壺の女御を夜這いして、義母妊娠&出産、その罪の子が天皇に即位までの物語が、光源氏といろんな女との泥沼エピソードを交えて描かれる話

箇条書きでストーリーを追うとこうなります(ナナメ読み推奨)。
  1. 幼少時代の光源氏は、帝である父親の後妻となった義母、藤壺の女御に出会い恋に落ちる
  2. 光源氏、藤壺の女御を夜這い
  3. 藤壺の女御、光源氏の子を妊娠
  4. 帝である父親は薄々気づいてそうだけど、2人にお咎めなし
  5. 光源氏、年上の未亡人六条御息所に手を出す
  6. 光源氏の正妻の葵の上は、六条御息所の生き霊にを呪い殺される
  7. 光源氏、紫の上という少女に出会い、さらって自宅に連れ帰り、その後正妻にする
  8. 光源氏、新帝(光源氏の義兄)の側室である、朧月夜に手を出す
  9. 先帝(光源氏の父)が亡くなり、藤壺の女御出家する
  10. 先帝の後ろ盾がなくなった上に朧月夜との不義密通がバレて、光源氏は八方塞がりで都落ち
  11. 都落ちの先で豪商の娘、明石の君に手を出し、明石の君は娘を妊娠出産
  12. 亡き先帝の怒りで新帝の目が見えなくなり、光源氏が呼び戻される
  13. 新帝は退位することになり、藤壺の女御の子(実は父親は光源氏)が帝に即位、光源氏はその帝の後見役になり栄華を極める。
  14. 光源氏は明石の君と娘を呼び寄せて、正妻の紫の上や、さまざまな女を住まわせる「花やしき」を建てる
  15. 明石の君の娘を、帝(実は父親は光源氏)に入内させる。
  16. 紫の上病死
  17. 最愛の紫の上に先立たれ、歳を取った光源氏は寂しい老後を過ごす

2時間強の2部構成の映画とは思えないボリューム。
大量のキャラクターが次々と押し寄せ、ひとつひとつのエピソードが短く、あらすじを追わせるだけで終わります。

あー、しんど。

しかも後半「紫の上サイド」っていうのもでてきますが、光源氏に恨み節を言うだけなので割愛しました。


映画「千年の恋 ひかる源氏物語」の「紫式部サイド」ネタバレ結末

手短に書くとこんな感じ
紫式部は夫を亡くした後、藤原道長の娘である彰子の教育係をしながら「源氏物語」を執筆する。
彰子は帝に入内して子を身籠る、父である藤原道長は紫式部と肉体関係を持ちたがるが、紫式部はつっぱねて、隠居して物語を完成させる。

箇条書きでストーリーを追うとこうなります(読み飛ばし推奨)。

  1. 紫式部、父親の上役である藤原宣孝に輿入れ
  2. 娘を出産
  3. 夫、藤原宣孝が野盗に襲われ死亡
  4. 未亡人となった紫式部、左大臣藤原道長の娘である彰子の教育係になる(左大臣は亡き夫に顔が似ている)
  5. 紫式部は彰子に読ませるために「源氏物語」の執筆をはじめる
  6. 彰子は帝に入内し、妊娠
  7. 藤原道長が紫式部を口説く
  8. 紫式部は藤原道長に惹かれているが受け入れない
  9. 実家に帰って「源氏物語」を書き上げて穏やかに暮らす

結局紫式部は源氏物語を書きながら、彰子の教育係をしましたっていうだけの話です。
左大臣藤原道長との恋愛描写がありますが、結局何も起こらないっていう。

薄いです。

概要:「千年の恋 ひかる源氏物語」ってこんな映画です

映画「千年の恋 ひかる源氏物語」は、東映が社運をかけた超大作映画です。
ただ、東映が社運をかけた映画で当たった映画なんて聞いたことがなく、「北京原人 Who are you?」も「将軍家光の乱心 激突」も「継承盃」もコケてたし、こんなものなんだろうと思います。

東映創立50周年記念作品で、豪華キャストがこれでもかというほど乱れ飛んでいるのが特徴です。

大女優吉永小百合を主役の紫式部。
紫式部の雇い主で彼女に思いを寄せている藤原道長を渡辺謙。

宝塚歌劇団で史上最速ペースでトップに就任したの伝説の男役天海祐希を光源氏。
映画上映の前年に、最高視聴率41.3%を記録したドラマ「ビューティフルライフ」のヒロイン役を演じた常盤貴子を紫の上。

メインキャストとして大物俳優と話題の人をがっつり起用し、顔見せ映画的にまわりも主役級の豪華キャストで固めています。

総製作費14億円という東映的には予算かけまくった映画なのですが、出演料と、衣装代(十二単)にほとんどつぎ込んだのか、大道具や小道具などのセットはけっこうチープな印象でした。
(映像を丁寧に作り込もうとしている気配は感じました)

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本音レビュー1:十二単を着た年増女優のインフレ映画

みなさん「やすらぎの郷」ってご存知ですか?

石坂浩二が主演している昼ドラで、老人ホームが舞台のお話なんですけど、登場人物が昼ドラとは思えないほど豪華な、往年のスターばかりなんです。

石坂浩二、風吹ジュン、浅丘ルリ子、加賀まりこ、五月みどり、八千草薫、ミッキー・カーチスなど、今はテレビドラマで爺さん婆さんの役でチラッと出るくらいしかないけど、昭和の初期には主役がはれた俳優ばかりを起用した作品。

映画「千年の恋ひかる源氏物語」は、2001年の映画版「やすらぎの郷」という感じ。
  • 森光子(当時81歳)
  • 吉永小百合(当時56歳)
  • 竹下景子(当時48歳)
  • かたせ梨乃(当時44歳)
  • 松田聖子(当時39歳)
  • 高島礼子(当時37歳)

十二単で着飾った大物女優たちが、力強い照明を浴びて白飛びした顔でスクリーンに映し出されるさまは、まさに壮観です。


本音レビュー2:若手が女優じゃなくてタレントばかり

映画「千年の恋ひかる源氏物語」を観て感じたことは、ある程度の年齢を召した女優さんたちは、超ビッグネームなのに、若手はwikipediaみないと誰かわからないような人が多いってこと。

常盤貴子は映画公開が公開された2001年大人気だったので文句ないんです。

他の若い女性キャストが、とにかく微妙。
女優というより、アイドルとかタレントばかりなんですよね。

  • 南野陽子(アイドル、タレント)
  • 細川ふみえ(グラドル、タレント)
  • 中山忍(元アイドル?)
  • 前田亜季(チャイドル、タレント)

唯一納得できたキャスティングが南野陽子。
当時34歳と、アイドル人気には陰りが出ていた頃ではありましたが、1980年代後半にアイドル全盛期があり、東映映画「スケバン刑事」「はいからさんが通る」などで主演していたため、東映との縁が深く起用されたのかな〜という感じですし、「日本中のみんなが知ってる有名な人」ではありますし。

細川ふみえは映画を観た時点で誰かわからなかった。
全盛期が1993年から95年だったので、映画公開の時点で誰かわからなかった人も多いかも。

中山忍が誰か知らない人も多いでしょうが、中山美穂の妹です。
1988年に中山美穂の妹として女優デビューし、デビュー直後は子供向けのドラマでヒロイン役を演じたりしていたのですが、2000年前後は2時間ドラマのちょい役とかを演じていたようですが、私は顔と名前が一致していません。

前田亜季は、中村勘九郎と結婚した子役タレント前田愛の妹。
Eテレの子供向け番組「天才てれびくん」のてれび戦士だったらしいですが、私は全然知らないです。

東映さん、平安恋愛絵巻なんだから絵面の美しさに重きを置いてほしかった。
若手の人気女優起用して、目を頼ませて欲しいんやで…。


本音レビュー3:顔見せ映画なのでちょい役がやたら豪華

映画「千年の恋ひかる源氏物語」はちょい役が豪華。
カメオ出演目白押しです。

あ!この人◯◯だ!と家で家族とウォーリーを探せ的な楽しみ方で鑑賞すると楽しいです。
竹中直人、風間杜夫、岸田今日子、山本太郎、段田安則、片岡鶴太郎、風間トオル、鷲尾真知子らが出演しています。

 

本音レビュー4:子役時代の三浦春馬が出演している!

ちょい役が豪華とちょっとかぶってるのですが、映画「千年の恋 ひかる源氏物語」には子役時代の三浦春馬が出演しています。

光源氏の子供時代ではなく、光源氏の悪友の頭の中将の子供時代のシーンでチラッと出てます。


本音レビュー5:松田聖子がオリキャラになって登場!シュールすぎて気絶しそう!!

この映画で一番面白かったのは、松田聖子が揚げ羽の君というオリジナルキャラクターを演じているところ。

映画「千年の恋ひかる源氏物語」のオリキャラで登場する松田聖子がシュールすぎて、多分この映画はコメディなんだと思う。

紫式部のストーリーにも源氏物語のストーリーにも干渉することなく、唐突に現れて「もしかして歌うつもりじゃないだろうな!?」と思ったら、初登場から10秒後には歌い出すのです。

華やかな平安絵巻のはずが、打ち込みサウンドのポップソングをぶりっぶりに聖子節で歌うもんで、あまりのシュールさに、脳が痺れたよ。

 

映画「千年の恋 ひかる源氏物語」のクチコミ感想まとめ

名うての色男光源氏の役を、伝説の宝塚の男役天海祐希が演じるっていうのは、まあ面白いなと思ったし、大女優のベッドシーンが多くて当時は話題性もあったんだろうなと思います(全員肩から上とかしか見せてないけど)。

当時すでに50代だった吉永小百合が、紫式部(30代くらいかな?)を演じているのですが、さすが大女優。
「吉永小百合だしまあいい」と思わせる何かがあるのでセーフ。

ただ、森光子が三十路くらいの設定と思しき役で登場したり、松田聖子が大したセリフもなく飛び出してきてクルクルまわりながら歌ったりと、なんかもう無茶苦茶で。

おすぎが伝えたかったことはこういうことかと。
大いに納得できたのでありました。

映画「千年の恋 ひかる源氏物語」ですが、レビューが面白いです。
作品鑑賞する予定がない人でもアマゾンのレビューを読んでみて欲しいです。

9割の人が松田聖子不必要論を提唱しています。


【レビューを読んで!レビュー面白いよ!】




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